皆さんこんにちは、新潟の松井です。
先日小学生になったお子さんのコンサルティングに伺ってきました。
未就学の時にはNOTIAのセラピストと共に頑張っていた彼も今は通常学級で毎日楽しく学校生活を送っています。
ただ、少々言葉がつたない時があり、特に自分の好きなことについて夢中で話し始めると早口すぎて相手に伝わらず、
学校や学童でイライラする場面が何度か見られたとのことでした。お友達に手は出ないまでも、ちょっとこのままだと危ない気がする…という親御さんのご相談により、お子さんと「こんな時どうする?」を一緒に考えてみました。真っ白なスケッチブックにイラストを描きながら二人でアイディアを出しました。
T(セラピスト)「ねえ、Sくん、イライラするってどんなことか分かるかな」
S(お子さん)「うん、イ~~~!!ってなること」と体に力を込めてイライラした様子を表現します。
T「おお、すごい、知ってるんだね。じゃあさ、こんな場面について考えてみようか」
とイラストを描きます。
T「Sくんが、大好きな○○の話をしてるとするよね」 カキカキ
S「うん」
T「なのに、お友達は、何言ってるのか分かんなくて、何?もう一回言って、って何回も言うんだよ」
S「えーなんで分かんないの!」(ちょっと怒った風に)
T「ねえ、なんで分かんないんだろうね! お友達に通じない時、どんな気持ちかなあ」
S「イライラするよ!イーーって」
T「そうだよね、イライラするよね。そうすると、もしかして叩きたくなったり、怒った声を出したり、イ~ッって言いたくなるかなあ。
S「うーん・・・」
(この辺は実際はもっと時間をかけて話を進めて行ったのですが、ブログのため割愛しています。)
T「きっとイライラしてるから、力が入っちゃうんだね。じゃあさ、イライラしたら、それを静めるのはどうかな」
S「いいね!」
というわけで、二人でどうしたらイライラがしずるか、アイディアを出し合って、実際に演劇よろしくシミュレーションしてみました。
そして
T「この方法どう?イライラなくなった?」と感触を確かめ、結局①大きく息を吸ってはく、と②自分の体を自分でギューッとする というのがよさそうだという結論に達しました。
するとS君が
「先生、ちょっとかして」とスケッチブックを自分の方向に向けおもむろにイラストを描き始めました。
私としては(あんなに絵をかくのを嫌がっていたS君が、自ら絵を描いている・・・)という感動と(何かすごい良い事を思いついたのかしら!)というワクワクで、じっと見守りつつももう口元には笑みを隠し切れずにいました。
S君は「イライラがとんでった」というイラストと穏やかにお友達と話をしているイラストをかいてくれました。(右)
私とS君の話し合いのイラストはこちら。お母様から許可を頂いて掲載させていただきます。↓
左上から左下、右下、右上の順番に(反時計回り)進んでいます。
見せるように書いていなかったのでよくわからないかもしれませんが、私とS君にとっては道しるべになる一枚です。
これが完成した時には二人で「これ、すっごい分かりやすいね!いいのが出来たね!」と興奮してしまいました。笑
S君は過去の私との話し合い(?)の記録をこうしてスケッチブックのまとめてS君ノートを作っています。
まさにS君にカスタマイズされたソーシャルスキルブックです。
その本にまた一ページ新しいものが加わりました。
夏休み明け、学校でイライラに遭遇する場面でこの一枚が役立ちますように。。。今はそんな風に願っています。
松井